会計を使って経済ニュースの謎を解く

会計を使って経済ニュースの謎を解く~決算書の読み方が変わる7つのエピソード

会計を使って経済ニュースの謎を解く~決算書の読み方が変わる7つのエピソード


2007年に読んだ本を再度読み直しました。

  • 時価or取得価格
    • 事業用資産は商品や建物など間接的にそれを使ってビジネスにつなげる資産、金融資産はお金で回収することを目標とした資産。甲子園球場は取得したときの値段800万円の資産として賃借対照表に計上されていたが、阪急ホールディングスの子会社となった時点で、その時点の時価で計上された。当時の時価は155億円。
  • 楽天は2005年より前は常に赤字。特に2003年の当期純利益は526億円マイナスのだった。これは、のれん代などの特別損失をM&Aをした年にすべて経常していたからで、2005年以降は数年で償却するようになったため、当期純利益がプラスになった。利益が得られた時点で損失を計上する必要があるので、通常、減価償却は複数年に分けて行う。
  • 2008年末を目標に、各国で異なる会計基準国際会計基準で統一しようという動きがある。経常利益は日本だけのもの。
  • ライブドアは、投資事業組合を通して自社株を売却した利益37億円を計上するという虚偽の会計報告をしていた。自ら有利な情報を流すことで錬金術が可能になるため、自社株を売却した利益は計上してはならないが、投資事業組合という別組織の組合を通して売却をしていた。ライブドア投資事業組合過半数の出資を行っていたが、業務執行組合員ではなかったので連結に入れる必要はないというのがライブドアの主張で、当時は明確にこれを罰する法律はなかった。
  • この事件後、業務執行組合員ではなくても過半数の出資を行った場合は連結とするという決まりができたが、当時としては微妙らしい。